森林生態系の落葉分解と腐植形成
B. バーグ /C. マクラルティー
シュプリンガーフェアラーク東京 刊
発売日 2004-04
価格:¥4,830(税込)
森林生態系の落葉分解と腐植形成 2004-02-12
落ち葉や枝、幹、根、花など、死んで土壌に供給される植物組織をひっくるめて「リター」といいます。この本は、森林の植物リターが腐って(分解して)土壌の腐植に変化したり、二酸化炭素に変化して空気中に放出されたり、リターがチッソやリンなどの養分を放出したり取り込んだりするプロセスを、生態学の観点から実証的に明らかにした研究を広くまとめた専門書です。この本のもっとも大きな特徴は、野外での実験データに基づいて、3000年にもわたる土壌での腐植集積のプロセスを検証していることや、人間活動にともなう地球温暖化に伴って森林土壌での腐植の集積が増加するという、これまでに考えられていたこととは全く逆の結果を示している点です。森林土壌の植物リターや腐植は、地球レベルでの炭素の放出源、蓄積場所として、またその分解は森林の生産性や多様性に深く関わるプロセスとして、近年よく注目されています。リター分解は、通常、速くても2~5年、長くて10~20年以上もかかるゆっくりとしたプロセスですが、世界中の分解研究者たちはこのような分解プロセスを解明しようと、根気よく研究に取り組んできました。そしてここ25年ほどの間に、リター分解に関するデータが世界中の森林で得られてきています。特にヨーロッパでは、この本の著者らを中心に精力的な研究が行われてきました。これら分解研究の成果をまとめた本書は、リター分解の観察結果から、分解のメカニズム、異なる地域での分解パターンの比較を行い、リター分解研究の到達点と今後の課題を述べています。森林土壌の分解機能の解明は、森林の成り立ちや地球環境の保全を考え得る上でも重要な研究分野であることを再認識させてくれる本だと思います。私は現在、本書の和訳に取り組んでおり、2004年度中にはシュプリンガーフェアラーク東京から出版の予定です。専門的な内容ですが、興味のある方はぜひそちらもご覧下さい。
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この記事は2006/6/6に作成しました。
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